フィリピンセンスを習得!こんなのアリ!?これが『フィリピン流』修理術
今回は普段以上にニッチな話題。
【フィリピン×修理センス】というお題でお送りします。
もともとニッチな私のブログへの来訪者でもさすがに今回の内容はご興味のない方も多いと思います。
タイトルを見て
- 「関心ない」と思った方
- 違和感を感じる方
は迷わず読み飛ばし、とりあえず下記の記事でも読んでみましょう(youtube動画付きです)。
上記の記事に詳しく書きましたが、修理ニーズの絶えないフィリピン。
そこで日頃から毎日のようにさまざまな修理に挑戦しているワタシ。
普段は「日本人センス」で修理しているワタシが、ついに「フィリピンセンス」で修理をコンプリートさせたお話です。
はじめに フィリピン移住者であるワタシのちょっと変わった日常生活
まずは、筆者であるワタシのコトをあまりご存知ない方のために私のカンタンな経歴と日常生活についてご紹介します。
ワタシは元、プロの自動車整備士。
バイクいじりが趣味で、昔は草レースや走行会などの経験もあります。
その際に必要だった工具や溶接機、グラインダーやボール盤などの加工機械を趣味的に多数保有しています。
こういった機械類をすべて持ってくる移住者はあまりいないでしょうし、
これらを趣味で保有するフィリピン人もほとんどいません。
フィリピンではプロですら必要最低限の道具しか揃えてません。
フィリピンは職人の工賃は安いのに道具の価格は日本並みかそれ以上。採算性考えたら仕方ありません。
日常の修理の様子などはワタシのFacebookタイムラインで公開しています。
※お友達申請される場合は、Facebook内のプロフィール「自己紹介欄」をご覧ください。
その他ワタシに関する情報
修理におけるワタシのポリシー
ポリシーは「可能な限り日本品質&部品代はローコスト」である。
耐久性や後々のメンテナンス性を損なわず、あるいは向上させつつ修理。
かと言って過剰な材料費は掛けられない。(貧乏性)
でも手間は惜しまない。
フィリピンでは「手間=いくらにもならない」のである。
なので手間を掛けつつ品質とコストのベストバランスを「日本人の感覚」で探しながら修理方法を決める。
感覚のギャップ(フィリピン人の感覚)については以下の記事を参考にしていただきたい。
やむを得ず『自分のモノ』以外の修理をすることに
コロナウィルスによるロックダウン(都市封鎖)中のテニスコートである事件が。
水道メーターの配管が折れた…
もともと水漏れしていたのは知っていたのだが、水漏れ部分から腐食が進行し、ついにパイプが折れた。
ロックダウンにより管理者が来れない状況だが、コートの水撒きなどの手入れが必要。
そこでコートの近所であるワタシが代行していた。
そんなタイミングに起きたトラブル。
ワタシに責任は無いがこのまま放置するのはバツが悪いというモノ。
このタイミングで壊れるとは、カレ(水道管)がワタシにSOSしてきたかのようだw。
修理の見積もり
いつものように「日本人センス」で見積る。
メーターを外して持ち帰り、折損部の腐食部分を取り除いてメネジが生きているのを確認。
折れ残ったパイプの先を除去します。
ネジ山は生きてる。このまま使用します。
問題は折れたパイプ。ネジ部が折れてなくなっている。
パイプにネジを切り直す道具がない。
そもそも外側まで錆びた鉄製パイプの補修は危険だ。
かと言ってパイプを交換するにはコンクリートを剥がし、地中の配管ごと交換しなければならない。
しかも組み立て時にはユニオン継手を追加するか、もしくはメーター脇のコンクリート壁(緑色の壁)を破壊しなければならない…。
どちらも費用がかさむ。
設計・施工の時点でメンテナンスの事など微塵も考えていない。
恐るべしフィリピンセンス。
ここで浮かんでくる「疑問」
この見積もりはいかがなモノか?
フィリピン人が見て納得するか?
答えは「No」である。
「日本人のセンス」で修理をして掛った費用(部品代)をコートの運営側に請求しても、彼らは納得しないだろう。
結果的にはワタシの負担になる。
そう、彼らには彼らの「修理センス」がある。
我々日本人のように「完全かつ恒久的な修理」は必ずしも必要としてはいないのだ。
改めて「フィリピンセンス」の修理を計画
日本なら当たり前の修理方法がフィリピンでは「非常識」。
ではフィリピン人ならどうするか?
元々かなりの水漏れがあり、皆知っていたにもかかわらず放置されていたワケだ。
日本人ならとっくに修理している。
そもそも考え方が違うのだ。
フィリピンで3年も彼らの造作を見てきた。
今のワタシなら彼らのセンスがいくぶんか分かる。
まずフィリピン人なら修復箇所を拡げないだろう。
折れたトコロだけを最小限の材料で何とかしようとする。
水漏れ箇所にゴムチューブを巻いて押さえておく(もちろん漏れる)などは彼らの常とう手段。
私たちには「応急処置」に見えるソレは彼らには「恒久的処置」なのだ。
「フィリピン式修理」実行
そんな彼らに習ってワタシも「修復箇所を拡げない修理」に挑戦。
しかし私は元日本のエンジニア。
ひとり術式カンファレンス
僅かでも「フィリピンセンス」より高い品質を目指す。
メーター側にニップルを継ぎ足し、ニップルと鉄管をPVC(いわゆる塩ビ管)で覆って繋ぐ。
これなら掛かる費用はニップル20ペソとシール剤60ペソ。
シールテープとPVCの切れっ端は我が家に転がっていたもので無償提供。
しめて80ペソ(約170円)。
計画実行へ
鉄管の腐食のひどい先端部分はカット。
パイプ外周の錆を磨き落とし、PVCパイプを仮り組み。
鉄パイプの腐食が思ったよりひどく、錆を磨いたらかなり細くなってしまい、すき間が大きくなってしまった。
メーター、ニップル、PVCパイプを組み立て。
シールテープとシール剤を内側に塗り、組み立てて完成。
翌日、シール剤が固まった頃を見計らって水圧テスト。
シール剤の充填が強引だったか、水圧が高いと僅かに漏れが…。
しかしメーターの針は触れない。ごく微量のためか。
若干仕上がりに問題はある。
しかし限られたコストとクオリティのバランスを考えれば費用対効果としては高い。
この社会ではハイクオリティよりもコストパフォーマンスが最重要。
日本では言語道断な修理方法。
でもこれで良いのだ。フィリピンだから。
まとめ 今回の修理を終えて
正直なところ、ワタシの気持ちとしては「やり直したくてしょうがない」。
僅かとは言えまだ漏れてるし。
しかし、アレはワタシの所有物ではない。やり直せば追加で費用が掛かる。
テニスコート運営側が費用を払うかどうかわからないのに、望まれない費用を掛けるのはお門違い。
奉仕で修理するならここのコートには他に修理の必要な個所が山ほどある。
ココだけ丁寧に仕上げてもワタシの独りよがりでしかない。
とりあえず応急処置(日本の感覚)はしたのだ。
そのあとどうするかはロックダウンが明けたら運営側が決めればいい。
(多分そのまま使うだろうw)
ワタシがフィリピンでDIYに明け暮れている目的のひとつに、
「フィリピンの職人を賢く使うために、フィリピンのセンスを身に付ける」というのがある。
過去にこのブログのどこかに書いたがどこか忘れた。
今回の修理で、当初の目的に自分が近づきつつあるのを確信した。
ゆくゆくは、今自分でやっていること(日本人センスの修理)をフィリピン人にやらせるのが目標だ。
余談
修理後、メーター手前の酷い水漏れが発覚。
メーター脇とは比較にならない漏れ方。
コチラは水道局の管轄なのでノータッチ。
おそらくロックダウン明けてからの対応だな…。
そして私の修理箇所からの漏れなどもう誰も気にしないだろうw。
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