バイクのレジストレーション(登録更新)こぼれ話~受ける?受けない?
前回の記事ではバイクのレジストレーション(登録更新)の流れをレポートしました。
今回はレジストレーションにまつわるうんちくというか、気付いたこと、こぼれ話などなどを書きました。
そもそも、レジストレーションとは?日本の車検制度との違い
どうでも良いと言えばどうでも良いのですが、違いを調べてみました(笑)
ごたくが長いので、読み飛ばしたい方は次の一応、元自動車業界人なのでいろいろと細かいツッコミを入れてみます。
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『車検』と『レジストレーション』の言葉の意味
『レジストレーション』とは直訳すると『登録』といった意味。
日本の『車検』という言葉は『自動車検査』に由来します。
かなり意味合いが違います。
日本では新車登録や中古車の名義変更などの際に『登録』をして自動車のナンバーと車検証を得ます。
その自動車の使用過程において、一定期間ごとに『車両の検査』をするのが『車検』です。
フィリピンの制度は基本、『登録』をひたすら毎年繰り返します。『検査』は形骸化されており、ほぼありません。
因みに今回はLTOでの車両の検査は一切ありませんでした。(外のエミッションセンターで排気ガス見るだけ)
今回感じた『レジストレーション』と『車検』のハッキリした違い
そもそも日本の車検制度は『自動車の安全性を確保』するために始まりました。
現在では他にも
- 『定期整備と検査による環境保全』だとか
- 『強制保険の加入で交通事故の救済』など
いろいろな目的が盛り込まれています。
フィリピンのレジストレーションには上記のような概念がありません。
その証拠。
今回強制保険(一応強制保険はある)に加入しましたが保険の期限は次回のレジストレーション期限の2か月前。
つまり、次のレジストレーションの2か月前くらいから保険切れになります。
…何のための強制保険やねん。
排気ガスのチェック(環境保全が目的)はLTOではなく外部機関でやります。
LTOでは書類の手続きだけ。
LTOという行政機関としてはその辺をやる気が無いのですね。
レジストレーションすなわち『登録』をひたすら繰り返す理由
『じゃあ、レジストレーションって何のためにあるの?』
って話なんですが、『登録』ってのは『所有権を主張する』という意味合いがあります。
フィリピンって、意外とその辺に対してウルサイ所があります。
『所有権を主張する』というと『不動産登記』あたりをイメージされる方もいると思います。
フィリピンの不動産登記制度は厳格で、日本より厳しいと言われています。
この『登録にウルサイ』ってのは国民性とかじゃなくて、『フィリピンのお役所』がウルサイだけ。
要はお役所の仕事を増やす(確保する)ことに躍起な役人たちの考えたシステムだと私は思ってます。
こうやって役人の仕事を確保しつつ書類手続きだけで税金を吸い上げる。
フィリピンの自動車社会の実情に合わない形骸化された制度です。ムダ。
あとこの『所有権を主張』する『登記制度』というシステム。
コレは昔、スペイン人が侵略してきたときにフィリピンに持ち込んできた制度。
わざと手続きを煩雑化し、登記制度のシステムがよくわからないネイティブの人々から土地などの財産を横取りしてきたという歴史があります。
その名残りが様々な所に残ってるのが今のフィリピンです。(邪推ですが)
一応、元自動車業界人なのでいろいろと細かいツッコミを入れてみます。
日本で車検を扱う仕事を長くやってきた関係上、細かい所が気になってしまいます。
日本のそれと比べること自体ナンセンスですが、いちおうツッコミを入れておきます…
受け取り窓口でこんなやり取りが
LTOでのレジストレーションの窓口での一幕。
最後にレシート(OR)を受け取って終了なんですが、
初めてだったため良くわからないから窓口で「これで終わりですか?」と聞いてみました。
窓口(お姉ちゃんじゃなくおばちゃんでした)
『ステッカーを渡して終わりなのよ。ナンバープレートが出来上がったらまた来てね。』
私のバイクはナンバープレートがありません。(LTOがプレート発行してくれない)
…フィリピンでは2014年以降バイクのナンバープレートは新規発行されていません。
事実上受け取れないステッカーの建前話。
私のような会話の苦手な外国人には必要ありません…( 一一)
そのくせステッカー代としてしっかり徴収されてる…
金取るとこだけは手ぬかりなし。
次回の車検期限と保険の残存期間について
日本の車検証は車検通した時に更新されます。
新しいモノが印刷されるって事。
(この時に次の車検期限が更新される)
フィリピンのCRは更新されません。
つまり次の期限は書いていない。新しいORにも書いてない。
期限をはるかに過ぎて更新した私の次の更新はいったいいつなのでしょう?
1年後? はたまた数か月後?!
お世話になったレセプションで聞いてみました。
2020年の7/14が次の期限らしいです。
おそらく最初のOR発行日(要は最初の登録時)が起点になるようです。
今回の更新手続きは2019年の5月。
2か月後じゃなくてよかった…。
そうなると発生する問題として、強制保険の期限。
保険の期限は発行日である2019年5月から1年間有効。
つまり、2020年5月で保険が切れてしまう…
レジストレーション更新の2か月前に切れる強制保険って…?
毎年やらなきゃいけない手続きにしちゃ高くない?
今回、2000ペソ弱の費用が掛かりました。
期限切れのペナルティが無かったとしても1500ペソ(3000円)以上の費用が…
※地域により差はあるかもしれません
私のような外国人に文句を言う筋合いはありません。
しかしフィリピンの庶民感覚としてはちょっと高い。
過去の記事でお伝えしたように、フィリピンの所得水準は日本の約8分の1。
日本人が感覚的に捉える例えとして、手続き費用3000円を8倍してみます。
すると年間24000円…
バイクは自動車と違い、庶民の乗り物です。
貧乏人でもバイク持ってます。
いやー。払わないでしょ。フィリピン人…
というわけで調査してみました。
調査対象は奥様の従姉妹のラミルの兄貴。
…あえて悪そうに見える写真を載せてみた(笑)こっこういいヤツです。
あとフィリピンにバイクを所有する日本人数名。(在住&時々来る人)
Facebookでつながってる方々です。
アニキは写真見ればわかるでしょうけど(笑)更新やってません。
あと、日本人でも『やっていない』という人が数名いらっしゃいました。
レジストレーションのシステム自体知らなかった人も…
結論。
統計というにはあまりにも事足りないのですが、実際にはかなりの割合で
『レジストレーション更新してない』人がいることは間違いないようです。
路上では時折、警察やLTO、さらにマニラではMMDA(マニラ首都圏開発庁)などが取り締まりをやっています。
捕まった時にバレると結構ヤバいらしいです。(罰則などの詳細は不明)
ラミルの兄貴曰く、
『遠くに行かなきゃ大丈夫。』
…いかにもフィリピンっぽいコメントありがとうございます。クヤ。(-_-;)
まとめ
レジストレーションにまつわるかなり細かいハナシをまとめてみました。
この記事を読んで
『こりゃヤバイ。やらなきゃ-』
って方と、
『やらなくてもいいんじゃない?』
って方がでてくるかもしれませんが、あくまで自己責任で。
私の意見ですが、フィリピン人なら後者でもいいのかな?と思います。
但し外国人は別。ここフィリピンはアウェーの地です。
脇を固めておいたほうが身のためかと…。
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Comment
私は「登録更新」に関して今年の4月、正式ナンバープレートを取り付けに行ったディーラーで初めて知りました。
3年で更新と聞いていましたが、バイクに乗らない自分はバイクが毎年更新とは知りませんでした。
そのせいなのか、マニラ郊外のリサール州アンティポロでもバイクのみポリスチェックが時々見られますね。
更新時に排ガスチェックとか、この国ではチャンチャラおかしいですよね。
だいたいジプニーが黒煙をモウモウと吐き出しながら爆音で縦横無尽に運行しているのを目の当たりにしていると、LTOがどういう行政をしているのか見えてきますよね。
KOKIさんこんにちは。
レジストレーションについては誰も教えてくれないから自分から情報を取りに行かないとダメなんですよねぇ。
幸い警察にチェックされる前に情報を得ることができました。
ジープについてはちゃんちゃらおかしくも見えますが、政府が方向転換しようとしているのは伺えます。
生活インフラなので急激な改革はできませんが、少しづつ改善されていくと思います。
どっかのアジアの大国よりはマトモに環境問題に取り組んでるのではないかと思います。
LTO自体は機能不全ですが(笑)