愛車のトライシケルの足回りについていろいろ考えてみた時のコト
はじめに ~この記事を書くに至った経緯~
今回の記事は一般向けではありません。
わかる人にしかわからない記事です。
私のトライシケルの足廻り大改造計画(実行するかどうかは未定)に協力してくれる方との情報共有のためにいろいろと考察や妄想したことを大真面目に文章化しただけの記事です。
もっとトライシケルについて一般的なコトを知りたい方は
フツーの人からみれば理解に苦しむディープな『妄想』です。
タイトルそのままのCoreな内容に、元プロ整備士としての知見とフィリピンのローカル情報を少しだけ織り交ぜながら書きました。
ほんの一握りでもこの価値観が共有できる方がいれば幸いです。
『足回り大改造計画』のきっかけ
仰々しくお題をつけても、カスタムやってる人にとっては日常。
また一人で妄想を膨らますだけなんてのも日常かつ当たり前なんですが、きっかけは先日発生した足廻りのトラブル。
応急で繋いでもらった溶接部分のやり直し&補強が必要と思われるためです。
本題 今後の処置について検討
足回りの補強が必要かどうか
結論から言うと『補強ないしほかの対策は必要』です。
足廻りの形式が同様のほかのトライシケルを観察しました。
この手のスタイル及び足廻りはパンパンガ州周辺、サンミゲルやヌエバエシハあたりでは主流のスタイルです。
私はこれらのスタイルを勝手に『アンヘレススタイル』と呼んでいます。
足廻り形式が私のサイドカーと同じです。
(制作したのはアンヘレスの工房です)
数台観察してみると、やはり私のサイドカーと同じところが破断して補修してあるものや補強してあるものがいくつか見られました。
どうやら作ったり直したりしてる人から見れば『あるある』なトラブルのようです。
マロロスで多いスタイルは板バネを使った足回り。
アンヘレスの足回りは外観に出てくる部品の数が少ないのですっきりしてスタイリッシュにサイドカーが作れます。
しかし、後述しますがサスペンションとしての機能は低い。しかも壊れる。
いわゆる『見た目重視』の造りです。
『見栄っ張りが多い』と言われるアンヘレスならではの造りとも言えますね。
破断する原因
下記は車両後面から見た足廻りのイメージ図です。
路面からの突き上げによってナックルとロアアームの接続部分の溶接が破断するわけです。
この前の足廻りの応急修理後(現状)の写真。
イメージ図のL字型の破断部分が写真右側の破断部。
左側の溶接部は車両制作時に補強としてついていたもの。
先のトラブルではこの2か所が次々と破断した模様。
このままの状態で今までと同じように使っていればいずれ破断するのは明白。
考えられる対策
『弱い部分を補強する』というのがセオリー(特にフィリピン人の)ですが、
『補強をするとダメージがほかの弱い部分に逃げる(移行する)』というのもセオリー。
『緩衝の容量を上げる(衝撃を吸収する)』というのが根本的対処策です。
そのためには
- サスペンションスプリングによる緩衝
- ロアアームブッシュによる緩衝
を改善していく必要があります。
足回りの各緩衝部分の現状
サスペンション
サスの緩衝の話をする前に、このスプリングは車体側、ロアアーム側ともに『溶接』で接合されています。
よって、ロアアームを車体から切り離す際には切断しなければなりません。
今後改造やリセッティング、メンテナンスをしていく上でも
分解と組み立てが容易に行えるようにボルトオン化しなければなりません。
対処としてスプリングシートの制作、設置が考えられます。
これをやらないとサスセッティングもできません。
また、車体~ばね~ロアアームがほぼ一体になっていると考えると、ロアアームブッシュがほぼ機能していないと考えられます。
ほぼリジットに近いバネがわずかによじれた分しか、ブッシュがたわむことができないからです。
次どのくらい緩衝できているのか、車体に乗り込んで揺すってみました。
かなり車内で暴れているので、瞬間でかるく100kg以上の荷重がかかっていると思われます。
しかし映像からは分かりにくいかもしれませんが、予想通りほとんどストロークしていません。
体はスプリングを成していますが、しょせん鉄の丸棒を巻いて溶接しただけのモノ。
バネなのは見た目だけ。リジットサスと何ら変わりありません。
サスペンションがストロークするだけでかなりの改善が期待できそうです。
ブッシュ
ロアアームにあたる部分とその両端にブッシュがボルトオンで取り付けられており、サスペンションに比べるとブッシュとしての完成度は高いと思われます。
機能の確認は難しいですが、よほど大きなブッシュに交換するなどしなければ、ショック吸収の容量を上げるのは難しいと考えられます。
下記は足回り全体の写真です。
足回り全体の写真からわかるように、路面からの入力があるナックルと破断箇所からみて
- 各ロアアームブッシュ部分までは距離がある
- サスペンションは距離が近い。
よって改善の優先順位は
- サスペンション
- ブッシュ
と考えます。
サスとブッシュの改善により推察されるデメリット
下記改善策を実施すると発生する考えられるデメリットについて考えます。
- スプリングのボルトオン化
- スプリングをソフトにしてストローク量(≒衝撃吸収量)を増やす
- ブッシュの大容量化(材質の改善、大型化)
1 スプリングのボルトオン化
サイドカーは空車時のプリロードが意外と少ないため、右旋回時に強いGを掛けるとサイドカーの車輪がすぐに浮いてしまいます。
このような走り方をすると容易にサスペンションが伸び切ってしまうため、その時にバネが脱落しないようにフルストローク時のストッパを追加するなどの対策が必要かもしれません。
2スプリングをソフトにしてストローク量(≒衝撃吸収量)を増やす
サイドカー側のサスペンションストローク量が増えると車両全体の傾きが問題になってきます。
拙いイラスト(しかも使いまわし)で申し訳ありません。(*_*;
サイドカーの積載量が増えると全体が右に傾くというのはお分かりいただけると思います。
逆にサイドカーが空車で右コーナリング時には左に傾く量が多くなります。
これは走行時の挙動にかなり影響が出ますが、どの程度支障が出るかはやってみないとわかりません。
3ブッシュの大型化、材料変更
- 大きくしたブッシュの劣化に伴うアライメントの変化する量が大きくなる
- 材料変更でショック吸収量の調節ができるかどうか
という懸念があります。
ブッシュの調達、定期交換などのメンテナンスの手間が増えるのは覚悟が必要そうです。
導き出される足回り改善策
いずれの対処もデメリットが発生します。
テスト&トライでバランスの良いセッティングを見つけていくという時間と根気の必要な作業になりそうです。
改善(ないし改悪)の振り幅の大きいものとして前項の1と2
- 1 サスペンションシートの作成
- 2 サスセッティングを柔らかくしていき、乗り心地や走行安定性のバランスを見直す
最終的に元の状態に戻しやすいというのもポイントです。
まとめ
『セッティングを煮詰める』という結論に至りましたが、
『最終的に現状がベストバランスでした』という可能性も十分にありそうです。
この場合は溶接部の補強をすれば完了です。
乗り心地など、現状のセッティングに不満があるのは間違いありません。
しかし私が今からやろうとしていることはフィリピンの先人達が試行錯誤してきたであろう事です。
今、出来上がっているセッティングはフィリピン人が長年にわたって築いてきた1つの答えであると私は思っています。
答えは一つじゃないとも思いますが。
アンヘレスの職人に詳しく聞ければやってみなくても解決してしまうかもしれませんね…まだ語学習得度の問題で聞けませんけど。(*_*;
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Comment
扁平率が低くて、柔らかいタイアを履かせるってのは?
バンバンやダックスのタイアとか
まこさんこんにちは。
教えていただいたG-cash、便利に使わせていただいてます。
Gcash関連の記事もたくさん書きました。
トライシケルのタイヤサイズはホイールのリム径や幅の問題から選択肢が少ないんですね。
一部のコロンコロンのように自動車のホイールをつけることは可能ですが、見た目が悪いのと転がり抵抗大という難点があります。
それより『どー見てもダメだろコレ』な感じのバネから手を付けていきます。
すでに計画は進行しています。
完成したら記事にしますので乞うご期待!!
バットマン仕様はどう?
これですか?
https://gigazine.net/news/20090706_bat_cycle/