フィリピンのサイドカー付きバイク『トライシケル』試乗インプレションカスタム編
100㏄~の小型バイクにスチールやステンレスを溶接して組み上げたハンドメイドのサイドカーを組み合わせたフィリピンの『トライシケル』。
フィリピンではだれもが目にするしハイヤーとして使った日本人も多い事かと思います。
サイドカーに乗ることはあっても、日常で運転する日本人はかなり少数派。
今回はそんなトライシケルを日常で運転している私がサイドカーの足回りを大幅改修・改善した時の試乗インプレッション。
某試乗インプレッション記事のマネをして書いてみました。
気になる人はカスタムの記事も先にご覧ください。
外観
まずはスタイリングを改めて眺めてみる。
ほかのトライシケルに比べるとかなり腰高。
ベースのバイクとして数多く出回っているホンダTMX125や旧型のTMX155に比べて、私の現行型TMX150が一回り大きいサイズのフレームを採用しているため。
そしてこの一見風変わりなサイドカーのスタイルによるもの。
ちなみにフィリピン人が見てもこのデザインはかなり風変わり。(笑)
ルックスにこだわるのであれば、この足回りの形状ならばかなり車高を落とすことが可能だ。
(ロアアームを作り直す必要があるが)
しかし洪水、道路冠水が日常のここフィリピンではサイドカーが低すぎると床上浸水が普通に起こる。
参考記事
この記事の取材時にもサイドカーは床上まで水に浸った。
実用面の問題からシャコタンは断念。
ドライビングポジション
バイクにまたがる。実用バイクだけにステップは前だがバンクしないからOK。
ハンドルは一般的なポジションよりやや手前。
ベースが実用バイクということもあるが、そのノーマルポジションよりも手前に調整してある。
長そでの日よけを装着した時のスタイル。
というのもサイドカー付きのバイクなのでハンドルにかなり力を入れて切らないと曲がらない。
さらに足回りの改修前は異常なハンドルジッター(振れ)があったために、ハンドルにがっちりと力を入れてジッターを抑えられるようにする必要があった。
乗車姿勢を低くするときはお尻を後ろにずらして調整。
東南アジアの実用バイクは3人乗りくらいは当たり前。
シートが長いから後方へのヒップスライドはいくらでもできる。
走行性能
発進・加速
サイドカー付きで重量はあるが発進はスムーズ。
この『TMX150』は2種類のエンジンバリエーションの中で排気量の大きい方の仕様。
1万ペソほど値段が高いためにほとんどのユーザーは125㏄を使う。
新車当時の『TMX150』。
それとこの『TMX』はトライシケルにするのが前提で開発されたバイク。
驚くほどローギヤードのセッティングとなっている。
発進は良いがすぐ吹け上がってしまう。
時速60kmで6000回転を遥かに超える。
日本のきれいな道路では全く使い物にならないセッティングだが、フィリピンの荒れた道をサイドカー付きで走るならこれで十分かもしれない。
こいつに乗り始めたころは60km/h以上で走ることもあったが、1年が経ってフィリピンの道路の恐ろしさも良くわかっている今では50km/hで走ることがほとんどなくなった。
サイドカー付きということを考えれば発進加速は良い。
ローギヤードのスプロケと150㏄のエンジンが余裕をもって引っ張ってくれる。
しかし調子に乗らないほうがよさそうだ。
勢い良く加速を繰り返しているとあっという間にチェーンが伸びる。
1000kmごとに調整していたが、もういいかげん伸びすぎなのでこれ以上は張らない。
張るとたぶんチェーンが切れるだろう。
伸びきってセンタースタンドと接触しているチェーン。切れるからもう張らない。
今後スペアを準備するか日本で丈夫なチェーンを探すか検討中。
足回り
住宅街を軽く流してみる。
サスペンションを柔らかくした効果はてきめん。
路上の凹凸やハンプ(路上に設けた速度抑制用の大きな凸)を吸収してくれるようになった。
その前のほぼリジットサスの状態と比べると歴然の差。
ほんの少しアクセルを開けながら角を曲がってみる。
さすがにソフトにした足ではコーナリングのトラクションはかかりにくくなったようだ。
固い足で踏ん張っていたものが少したわんで横に滑るようになった感じ。
しかし足が柔くなったからと言って変な挙動が起こることもない。
足をソフトにするとコーナー時に車体が大きく傾くため、挙動変化が心配だったが、実用での速度域では全くの取り越し苦労だった。
何より今まで悩まされていた低速時のハンドルジッターが驚くほど少なくなった。
路面からの入力を吸収するようになったからだろう。
ここまでの出来栄えは理想的といえる。
速度を上げたらどうか?大通りに出てみる。
フィリピンでは大通り(ハイウェイ)でも大きな凸凹や路面のうねりだらけ。
トライシケルで迂闊にスピードを出し過ぎると何をひろうか分からない。
頻繁に道路工事に遭遇します。それでも補修の必要なところだらけ。
ここでもソフトな足が活躍。ギャップを吸収してくれるので長距離運転での疲労感が全く違う。
大きなギャップの時は腰を浮かせればバイクのサスがきっちり吸収してくれる。
サイドホイールのみがギャップに差し掛かるときはハンドルを左にフェイントして右に切る(少し車体を左(バイク側)に傾けるイメージ)ことでサイドホイールの荷重を抜いてギャップを楽に超えるテクもある。
私の住むエリアにはワインディングなんてないので、少しクイックさを落としたコーナリング性能で全く問題なし。
まとめ
コーナリング性能は犠牲だが乗り心地と快適性を向上させる狙いであった今回のカスタムは大成功。住宅街からハイウェイまで快適かつドライビングが楽しめる仕上がりとなりました。
あまりの満足な仕上がりに調子に乗りすぎてしまいました。
路面が悪かったのでほとんどモトクロスのような乗車姿勢でハイウェイを2時間ほど(50~60km)走行。
翌日お尻が筋肉痛に…(笑)
今後はほかの人のトライシケルも乗ってみて比較、研究しつつカスタムしていこうかと思います。
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